映画倫理機構（映倫）

　中途失明で、今は全盲のヴァイオリニスト・穴澤雄介。逆境やハンデをむしろ武器にかえて音楽表現の糧に、そして今を生きる力にしている。そんな彼の活躍をインタビューやライブ演奏を交えて描いたドキュメンタリー。他者への想像力を醸成し、人が自分らしく生きられる多様性のある未来に向けて希望を与える次世代に向けた映画として推薦いたします。

　長年敵対してきた２つの国。王女サーラと青年ナランバヤルは、国の未来のため、“夫婦役”を演じることになるが……。アニメーション。多様性のある社会について考え、戦いではなく人と人とのふれあいと対話を通して未来への希望を育む、次世代に向けた映画として推薦いたします。

　1984年から85年の１年にわたる映画『乱』の撮影に密着し、人間・黒澤明の真実の姿を見出したドキュメンタリー作品。黒澤明監督の映画製作現場を通して“ものづくりへの情熱と凄み”の片鱗を感じ取れる、次世代に向けた映画として推薦いたします。

　蝶が蜜を吸う花々と、幼虫が葉を食べる草木（＝食草）を育て、蝶の訪れを待つ〈食草園〉を舞台にした生命の営みと、大阪・高槻市にあるＪＴ生命誌研究館の活動を描いたドキュメンタリー。小さな昆虫や草花を通して、生命の尊さや自然を愛する心を育み、社会的視野を広げる、次世代に向けた映画として推薦いたします。

　アルコール依存症の父と離婚した母と一緒に、瀬戸内の小さな島で診療所をしている祖母の家で暮らすことになった小学四年生の凪。とても明るくて良い子だが、父のことが心に影を落としていた……。ドラマ。人と人とのふれあいや結びつきの大切さを識り、自然の美しさを感受する映画として、次世代に向けた映画として推薦いたします。

　ミー坊は小さい頃からお魚さんが大好きで24時間アタマの中はお魚さんのことでいっぱい。ほかの子とは少～し違ってるのだけど、お母さんやまわりの人たちに愛されてまっすぐに成長していく。ドラマ。生命の尊さを自覚させ、生命への知識を養う。また他者への想像力を醸成し、愛情をはぐくむ作品として、年少者向けに推薦いたします。

　川口市で父、妹、弟と暮らすクルド人の女子高生サーリャ。難民申請を求めているが申請が不認可となり、父親が不法就労で逮捕され入管に入れられてしまう。ドラマ。社会的視野を広げ知識を養い、他者への想像力と愛情をはぐくむ作品として、年少者向けに推薦いたします。

　アンネ・フランクの家に展示されている日記から現れた少女キティーは、現在が1944年だと思い親友アンネを探しに街をさまようが……。アニメーション。生命の尊さを自覚させ、社会的視野を広げて他者への想像力を醸成する作品として、年少者向けに推薦いたします。