ご挨拶

映画倫理委員会委員長 大木圭之介
言論・表現の自由は民主主義の基盤をなすものですが、近年、メディア規制の動きが加速しています。残念なことに、市民も規制を望んでいるといっても過言ではありません。新聞や放送などは、21世紀に入る頃から、規制を受ける前に、自律の姿勢を示し信頼を回復するために第三者機関を設置しています。映画界は、他のメディアに先がけ、半世紀あまり前に「映倫管理委員会」を設け、製作者が自由に映画を作ると共に、映画が社会や青少年に与える影響に配慮して映画鑑賞の年齢区分を設けるなど社会的責任を果たしてきました。その間、1980年の「日活ロマンポルノ裁判」では、裁判所が「自主規制機関として、映画の倫理水準の維持に真摯な努力を重ねてきて、大きな成果をおさめている」と評価しました。
一方で、日本社会も大きく変化しています。映倫は発足50年を機に新たに「映画倫理綱領」を設け、名称も「管理」という文字を削除し「映画倫理委員会」に改めました。「表現の自由」を護り、同時に「倫理を維持」することは、決して易しいことではありません。わたしたち委員(5人)は、かつての検閲のような規制概念に陥ることなく、あくまで謙虚な姿勢で、難しい二つの目的を果たしてゆきたいと思っています。そして、青少年の健全な成長を願って、年齢による4段階の区分(レーティング)を的確に実施するとともに、委員長の諮問機関である「年少者映画審議会」で優れた映画の選定に積極的に取り組んでゆきたいと思っています。
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